教育時報社

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≪論点≫

競争が本格化する各高校の教育内容
生徒にとって価値ある教育どう創る

<「きょういく時報」26.8.8号掲載>


 全国の高校の生徒数が減少する中、通信制高校の生徒数が全国で30万人の大台に乗ろうとしている。

 安倍政権のもとで行われた、高校教育の民間への開放を機に多様なニーズが生まれ、私立通信制高校の設置数が年々増加し、昨年は全国で累計333校となった。

 並行して、進学の際に私立通信制高校を選択する生徒も増え続け、私立通信制高校の生徒数も24万3189人となっている。

 ちなみに文科省の調査によると、年間30日以上の不登校児童生徒数が2024(令和6)年度、約35万人超、また、いじめの認知件数は74万6000件超、このうち重大事態1129件といずれも過去最多。

 通信制高校の生徒の中には、前籍校で「所定の単位数を概ね修得できた」とし、通信制に移籍して「大学受験の準備に集中する」生徒もいるようだ。

 一方、通信制高校在籍者のうち小・中学校や前籍校において不登校経験がある生徒は全体の約65%にのぼる、とのデータもある。



全日制から通信制へ約24万人


 来春、吉本興業が滋慶学園と組んで、通信制高校+吉本スクール(吉本興業高等学院)をスタートさせるらしい。

 また、立命館大学が、近く法人として通信制高校を開設する予定との報道も聞かれる。

 公立・私立に限らず全日制高校の生徒が著しく減少していく中で、これほど私立通信制高校のニーズが高まるのはなぜだろう。その背景には、高校教育の通過地点化が一つ、あるのではといわれている。

 既成の高校教育はさて置いて、自己実現への近道を求める子どもたちの願望は、コロナ以降さらに広がっているようだ。

 ある私立全日制高校の先生は「最近の生徒たちには、承認欲求の強さが目立つ」と語る。

 また、別の私立進学校の校長先生によると「生徒同士がお互いに“自分の意見を通そう”とする余り、ぶつかり合ってしまうケースも目につく」という。相手の言い分を解釈し、自分の意見との妥協点を探る訓練ができていないらしい。

 多くの中学校・高等学校で、探究授業が取り入れられるようになった。ポスター発表などを通して生徒同士の対話力や説明力を高める取組も見られ、先行する私立中高の中には、外来の先生方との間で英語によるディスカッションが展開されることもある。

 学校毎に当然違いはあるだろうが、進む少子化時代を背景に、生徒たちの学びのニーズを踏まえた教育を提供していけるかどうか、各高校の競争時代に入ったようだ。<N>

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