大学の博士課程進学者の減少が続いている。
文科省の学校基本調査によると、博士課程進学者数は、ここ20年間で14%減少した。
学部から大学院修士課程への進学者は理工学系を中心に微増傾向で、直近の2023年データでは、修士課程進学者が学部卒者全体の12.5%と、前年度より0.1ポイント上昇している。
2024年に文科省がとりまとめた「博士人材の社会における活躍促進にタスクフォース」が設けられ、当時の盛山正仁文科大臣が、大学・財界に向けてメッセージを発信し、それに呼応する形で経団連から「産学連携による高度専門人材育成と、未来志向の採用を目指して」という報告書が出された。
醸成には時間が必要だろうが、まずは一歩前進(『大学評価研究』24号=早稲田大学吉田文教授)と見られている。
一方、企業の多くでは採用時、学部卒業と修士・博士修了者との賃金の差はほとんどないようだ。
「イノベーションは、別に修士・博士修了者でなくてもできる」という企業経営者も多い中、「イノベーションを考える場合、アイデアと、科学的裏づけによる技術開発とでは大きな差が出てくる」と語る経営者もいる。
また、関西学院大学名誉教授の村田治氏は『大学評価研究』の中で、OECD38か国を比較し、「大学院修了者比率と労働生産性」と「大学院修了者比率と一人当たりの営業利益」の分析結果を表している。
また、博士号をもつ人の割合を100万人当たりで比較してみると、日本は、英国や米国の半分も満たしておらず、ドイツの約3割程度にとどまるという。
今後、大学院教育がどのように企業戦略に反映されていくのか、注目される。<N>
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